日本臨床歯周病学会30周年記念大会

2012年6月16-17日、日本臨床歯周病学会30周年記念大会が、1800名の参加者のもと京王プラザホテルにて盛大に開催された。

今や欠損補綴の有効な手段としてインプラントは、急速に普及しているが、一方では、インプラントの周囲炎や偶発症・合併症などがメディアなどでも注目されている。今回のテーマ「天然歯を守るために:Perio VS Implant」はこれからの歯科界において必要不可欠な内容であった。

大会の講演内容として、1日目のセッション1では、「抜歯か非抜歯か?」という非常に興味深いテーマであり、PRDでもお馴染みのMicheal K.McGire先生の「リスクアセスメントと予後判定が治療計画決定に与える影響」としてリスクとなる因子や予後を司る因子の同定をして、天然歯の保存をする上で早期の予後判定と長期的な予後管理の重要性を深く印象づける講演があった。また、二階堂雅彦先生により「インプラント時代のペリオドントロジー」という演題で、歯周病治療の進歩とインプラント導入は抜歯基準を一層複雑にしており、歯周治療を志すものとしてどのような抜歯基準を設けるべきなのかといった講演であった。

そして、セッション2では、インプラント周囲炎について、最初にクリ二カル・チャレンジとして、ITIでも有名なLisa JA Heitz-Mayfieldによる「インプラント周囲炎の予防と治療:臨床的問題」という演題で、インプラント周囲炎および歯周炎の科学的な根拠をもった、成功に導くアプローチ法についてまた、困難な疾患の予防ならび管理の方法について1時間という短い時間の中、全体のオーバービューを入れながら、わかり易く、管理の重要性を我々に問いかける内容であった。

2日目午前セッション3は、天然歯に対しての審美領域を含む複雑なケースの対応としてアジアを代表とする日本と台湾の各先生が、歯周組織再生法、歯根面被覆、矯正などによる包括的歯科治療の有効性について報告した。個人的に印象深かったのは、小延裕之先生の露出歯根面被覆のストラテジーで、被覆法の臨床術式をわかり易いまとめ方で、興味深い講演であった。

そして、ポスターセッションでは、Dr.32題、DH9題と多岐にわたり、その中でもCID理事中田光太郎先生の「インプラント周囲における乳頭造成の1症例」は、沢山の聴講者を集めていた。

本大会の最後セッション4で、CID理事高野清史先生が座長として、このセッションを円滑にリードした。ここで再度Micheal K.McGire先生によるインプラントによる審美領域を含む複雑なケースの対応として「審美領域における予後不良歯が抱えるジレンマ 保存かインプラント埋入か」という演題で、最初に角下歯肉組織の有効性を報告した後、またもや審美部位のリスク アセスメントを軸に、マクロのガイドラインとして、5つの診断項目を指標としてあげていた。

1.歯の位置関係、2.歯肉の形、3.バイオタイプ、4.歯の形、5.骨縁下の状態

また、これ以上の細かく診断する上で、ITIトリートメントガイドの表を紹介していた。

審美領域インプラント治療による。オーバービューとリスク アセスメントと軟組織の重要性を再度認識した講演であった。

この大会を通して、歯科治療の一つの警鐘として、インプラント欠損補綴治療の前に、天然歯をいかに長く保存するかということが重要であり、リスクの同定や長期的な予後を獲得するためには、いかに患者との関係を良好に保つか、またインプラント治療は天然歯保存のための一つのオプションであるということを再認識させられた大会であった。

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オープニング時、理事長、宮本泰和先生のごあいさつ

 

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セッション4、座長高野清史先生と演者